2025年・01月
神の母聖マリア 1月1日(水) 降誕節

第一朗読

民数記6・22-27

彼らがわたしの名をイスラエルの人々の上に置くとき、わたしは彼らを祝福する。

民数記

6・22主はモーセに仰せになった。
23アロンとその子らに言いなさい。
あなたたちはイスラエルの人々を祝福して、次のように言いなさい。
24主があなたを祝福し、あなたを守られるように。
25主が御顔を向けてあなたを照らしあなたに恵みを与えられるように。
26主が御顔をあなたに向けてあなたに平安を賜るように。

27彼らがわたしの名をイスラエルの人々の上に置くとき、わたしは彼らを祝福するであろう。

答唱詩編

55123詩編67・2+3、4+5、7+8

神のみ旨を行うことは、わたしの心の喜び。

詩編67

67・2神よ、あわれみと祝福をわたしたちに。
あなたの顔の光をわたしたちの上に照らしてください。
3あなたのわざが世界に知られ、
救いがすべての国に知られるように。

4諸国の民はあなたをたたえ、
すべての民はあなたを賛美せよ。
5すべての国は、喜び歌え。
あなたは民を正しくさばき、諸国の民を導かれる。

7地は豊かに実り、
神はわたしたちを祝福された。
8地の果てに至るまで、神をおそれ敬え。
神はわたしたちを祝福された。

第二朗読

ガラテヤ4・4-7

神はその御子を女から生まれた者としてお遣わしになった。

使徒パウロのガラテヤの教会への手紙

皆さん、4・4時が満ちると、神は、その御子を女から、しかも律法の下に生まれた者としてお遣わしになりました。5それは、律法の支配下にある者を贖い出して、わたしたちを神の子となさるためでした。6あなたがたが子であることは、神が、「アッバ、父よ」と叫ぶ御子の霊を、わたしたちの心に送ってくださった事実から分かります。7ですから、あなたはもはや奴隷ではなく、子です。子であれば、神によって立てられた相続人でもあるのです。

福音朗読

ルカ2・16-21

アレルヤ、アレルヤ。神は昔、預言者を通して先祖に語られたが、この終わりの時にはご自分の子を通してわたしたちに語られた。アレルヤ、アレルヤ。

ルカによる福音

そのとき、羊飼いたちは、2・16急いで行って、マリアとヨセフ、また飼い葉桶に寝かせてある乳飲み子を探し当てた。17その光景を見て、彼らは、この幼子について天使が話してくれたことを人々に知らせた。18聞いた者は皆、羊飼いたちの話を不思議に思った。19しかし、マリアはこれらの出来事をすべて心に納めて、思い巡らしていた。20羊飼いたちは、見聞きしたことがすべて天使の話したとおりだったので、神をあがめ、賛美しながら帰って行った。

21八日たって割礼の日を迎えたとき、幼子はイエスと名付けられた。これは、胎内に宿る前に天使から示された名である。

聖バシリオ 司教教会博士 1月2日(木) 記念日

第一朗読

①ヨハネ2・22-28

教えられたとおり、御子の内にとどまりなさい。

使徒ヨハネの手紙

愛する皆さん、2・22偽り者とは、イエスがメシアであることを否定する者でなくて、だれでありましょう。御父と御子を認めない者、これこそ反キリストです。23御子を認めない者はだれも、御父に結ばれていません。御子を公に言い表す者は、御父にも結ばれています。24初めから聞いていたことを、心にとどめなさい。初めから聞いていたことが、あなたがたの内にいつもあるならば、あなたがたも御子の内に、また御父の内にいつもいるでしょう。25これこそ、御子がわたしたちに約束された約束、永遠の命です。

26以上、あなたがたを惑わせようとしている者たちについて書いてきました。27しかし、いつもあなたがたの内には、御子から注がれた油がありますから、だれからも教えを受ける必要がありません。この油が万事について教えます。それは真実であって、偽りではありません。だから、教えられたとおり、御子の内にとどまりなさい。

28さて、子たちよ、御子の内にいつもとどまりなさい。そうすれば、御子の現れるとき、確信を持つことができ、御子が来られるとき、御前で恥じ入るようなことがありません。

答唱詩編

14912詩編98・1、2+3a

遠く地の果てまで、すべての者が神の救いを見た。

詩編98

98・1新しい歌を神にうたえ。
神は不思議なわざを行われた。
神の偉大な右の手、
その尊い腕は救いの力。

2神は救いを示し、
諸国の民に正義を現された。
3aいつくしみとまことをもって、
イスラエルに心を留められる。

福音朗読

ヨハネ1・19-28

アレルヤ、アレルヤ。神は昔、預言者を通して先祖に語られたが、この終わりの時にはご自分の子を通してわたしたちに語られた。アレルヤ、アレルヤ。

ヨハネによる福音

1・19ヨハネの証しはこうである。エルサレムのユダヤ人たちが、祭司やレビ人たちをヨハネのもとへ遣わして、「あなたは、どなたですか」と質問させたとき、20彼は公言して隠さず、「わたしはメシアではない」と言い表した。21彼らがまた、「では何ですか。あなたはエリヤですか」と尋ねると、ヨハネは、「違う」と言った。更に、「あなたは、あの預言者なのですか」と尋ねると、「そうではない」と答えた。22そこで、彼らは言った。「それではいったい、だれなのです。わたしたちを遣わした人々に返事をしなければなりません。あなたは自分を何だと言うのですか。」23ヨハネは、預言者イザヤの言葉を用いて言った。
「わたしは荒れ野で叫ぶ声である。
『主の道をまっすぐにせよ』と。」
24遣わされた人たちはファリサイ派に属していた。25彼らがヨハネに尋ねて、「あなたはメシアでも、エリヤでも、またあの預言者でもないのに、なぜ、洗礼を授けるのですか」と言うと、26ヨハネは答えた。「わたしは水で洗礼を授けるが、あなたがたの中には、あなたがたの知らない方がおられる。27その人はわたしの後から来られる方で、わたしはその履物のひもを解く資格もない。」28これは、ヨハネが洗礼を授けていたヨルダン川の向こう側、ベタニアでの出来事であった。

降誕節・1月3日〔公現前〕 1月3日(金) 降誕節

第一朗読

①ヨハネ2・29-3・6

わたしたちは、今既に神の子ですが、自分がどのようになるかは、まだ示されていません。

使徒ヨハネの手紙

愛する皆さん、2・29あなたがたは、御子が正しい方だと知っているなら、義を行う者も皆、神から生まれていることが分かるはずです。3・1御父がどれほどわたしたちを愛してくださるか、考えなさい。それは、わたしたちが神の子と呼ばれるほどで、事実また、そのとおりです。世がわたしたちを知らないのは、御父を知らなかったからです。2愛する者たち、わたしたちは、今既に神の子ですが、自分がどのようになるかは、まだ示されていません。しかし、御子が現れるとき、御子に似た者となるということを知っています。なぜなら、そのとき御子をありのままに見るからです。3御子にこの望みをかけている人は皆、御子が清いように、自分を清めます。4罪を犯す者は皆、法にも背くのです。

罪とは、法に背くことです。5あなたがたも知っているように、御子は罪を除くために現れました。御子には罪がありません。6御子の内にいつもいる人は皆、罪を犯しません。罪を犯す者は皆、御子を見たこともなく、知ってもいません。

答唱詩編

14934詩編98・4+5、6+7b+8b

遠く地の果てまで、すべての者が神の救いを見た。

詩編98

98・4世界よ、神に向かって喜びの声をあげ、
賛美の歌で神をほめよ。
5たて琴をかなでて神をたたえ、
その調べに合わせてほめうたえ。

6ラッパと角笛を吹き、
神の前で喜びの声を上げよ。
7b世界とそこに住む者は、
8b神の前に喜びうたえ。

福音朗読

ヨハネ1・29-34

アレルヤ、アレルヤ。みことばは人となり、わたしたちのうちにお住みになった。主を受け入れる人には神の子となる恵が与えられた。アレルヤ、アレルヤ。

ヨハネによる福音

1・29その翌日、ヨハネは、自分の方へイエスが来られるのを見て言った。「見よ、世の罪を取り除く神の小羊だ。30『わたしの後から一人の人が来られる。その方はわたしにまさる。わたしよりも先におられたからである』とわたしが言ったのは、この方のことである。31わたしはこの方を知らなかった。しかし、この方がイスラエルに現れるために、わたしは、水で洗礼を授けに来た。」32そしてヨハネは証しした。「わたしは、〝霊〟が鳩のように天から降って、この方の上にとどまるのを見た。33わたしはこの方を知らなかった。しかし、水で洗礼を授けるためにわたしをお遣わしになった方が、『〝霊〟が降って、ある人にとどまるのを見たら、その人が、聖霊によって洗礼を授ける人である』とわたしに言われた。34わたしはそれを見た。だから、この方こそ神の子であると証ししたのである。」

降誕節・1月4日〔公現前〕 1月4日(土) 降誕節

第一朗読

①ヨハネ3・7-10

義を行う者は、御子と同じように、正しい人です。

使徒ヨハネの手紙

3・7子たちよ、だれにも惑わされないようにしなさい。義を行う者は、御子と同じように、正しい人です。8罪を犯す者は悪魔に属します。悪魔は初めから罪を犯しているからです。悪魔の働きを滅ぼすためにこそ、神の子が現れたのです。9神から生まれた人は皆、罪を犯しません。神の種がこの人の内にいつもあるからです。この人は神から生まれたので、罪を犯すことができません。10神の子たちと悪魔の子たちの区別は明らかです。正しい生活をしない者は皆、神に属していません。自分の兄弟を愛さない者も同様です。

答唱詩編

14914詩編98・1、6+7b+8b

遠く地の果てまで、すべての者が神の救いを見た。

詩編98

98・1新しい歌を神にうたえ。
神は不思議なわざを行われた。
神の偉大な右の手、
その尊い腕は救いの力。

6ラッパと角笛を吹き、
神の前で喜びの声を上げよ。
7b世界とそこに住む者は、
8b神の前に喜びうたえ。

福音朗読

ヨハネ1・35-42

アレルヤ、アレルヤ。神は昔、預言者を通して先祖に語られたが、この終わりの時にはご自分の子を通してわたしたちに語られた。アレルヤ、アレルヤ。

ヨハネによる福音

そのとき、1・35ヨハネは二人の弟子と一緒にいた。36そして、歩いておられるイエスを見つめて、「見よ、神の小羊だ」と言った。37二人の弟子はそれを聞いて、イエスに従った。38イエスは振り返り、彼らが従って来るのを見て、「何を求めているのか」と言われた。彼らが、「ラビ――『先生』という意味――どこに泊まっておられるのですか」と言うと、39イエスは、「来なさい。そうすれば分かる」と言われた。そこで、彼らはついて行って、どこにイエスが泊まっておられるかを見た。そしてその日は、イエスのもとに泊まった。午後四時ごろのことである。40ヨハネの言葉を聞いて、イエスに従った二人のうちの一人は、シモン・ペトロの兄弟アンデレであった。41彼は、まず自分の兄弟シモンに会って、「わたしたちはメシア――『油を注がれた者』という意味――に出会った」と言った。42そして、シモンをイエスのところに連れて行った。イエスは彼を見つめて、「あなたはヨハネの子シモンであるが、ケファ――『岩』という意味――と呼ぶことにする」と言われた。

主の公現 1月5日(日) 降誕節

第一朗読

イザヤ60・1-6

主の栄光はあなたの上に輝く。

イザヤの預言

エルサレムよ、60・1起きよ、光を放て。
あなたを照らす光は昇り
主の栄光はあなたの上に輝く。
2見よ、闇は地を覆い
暗黒が国々を包んでいる。
しかし、あなたの上には主が輝き出で
主の栄光があなたの上に現れる。
3国々はあなたを照らす光に向かい
王たちは射し出でるその輝きに向かって歩む。
4目を上げて、見渡すがよい。
みな集い、あなたのもとに来る。
息子たちは遠くから
娘たちは抱かれて、進んで来る。
5そのとき、あなたは畏れつつも喜びに輝き、
おののきつつも心は晴れやかになる。
海からの宝があなたに送られ
国々の富はあなたのもとに集まる。
6らくだの大群
ミディアンとエファの若いらくだが
あなたのもとに押し寄せる。
シェバの人々は皆、黄金と乳香を携えて来る。
こうして、主の栄誉が宣べ伝えられる。

答唱詩編

1361234詩編72・2+4、7+8、10+11、12+13

すべての王はあなたの前にひざをかがめ、すべての国はあなたに仕える。

詩編72

72・2主は正義に満ちて民を治め、
まことをもって苦しむ人を心にかけてくださる。
4主はさばきによって貧しい人を守り、
しいたげる者から救ってくださる。

7主が治められる世には正義が栄え、
月のある限り平和が続く。
8主は海のかなたまで治め、
その支配は地の果てにまでおよぶ。

10タルシスと島々の王は贈り物を、
シバとセバの王はみつぎを納める。
11主の前にひざをかがめ、
すべての民は主につかえる。

12主は助けを求める名もない人と、
見捨てられた人を救われる。
13貧しくふしあわせな人をあわれみ、
苦しむ人に救いをもたらされる。

第二朗読

エフェソ3・2、3b、5-6

今や、異邦人が約束されたものを受け継ぐ者となるということが啓示された。

使徒パウロのエフェソの教会への手紙

皆さん、3・2あなたがたのために神がわたしに恵みをお与えになった次第について、あなたがたは聞いたにちがいありません。3b秘められた計画が啓示によってわたしに知らされました。5この計画は、キリスト以前の時代には人の子らに知らされていませんでしたが、今や〝霊〟によって、キリストの聖なる使徒たちや預言者たちに啓示されました。6すなわち、異邦人が福音によってキリスト・イエスにおいて、約束されたものをわたしたちと一緒に受け継ぐ者、同じ体に属する者、同じ約束にあずかる者となるということです。

福音朗読

マタイ2・1-12

アレルヤ、アレルヤ。東の空に星を見て、全てをおいて神を拝みに来た。アレルヤ、アレルヤ。

マタイによる福音

2・1イエスは、ヘロデ王の時代にユダヤのベツレヘムでお生まれになった。そのとき、占星術の学者たちが東の方からエルサレムに来て、2言った。「ユダヤ人の王としてお生まれになった方は、どこにおられますか。わたしたちは東方でその方の星を見たので、拝みに来たのです。」3これを聞いて、ヘロデ王は不安を抱いた。エルサレムの人々も皆、同様であった。4王は民の祭司長たちや律法学者たちを皆集めて、メシアはどこに生まれることになっているのかと問いただした。5彼らは言った。「ユダヤのベツレヘムです。預言者がこう書いています。
6『ユダの地、ベツレヘムよ、
お前はユダの指導者たちの中で
決していちばん小さいものではない。
お前から指導者が現れ、
わたしの民イスラエルの牧者となるからである。』」

7そこで、ヘロデは占星術の学者たちをひそかに呼び寄せ、星の現れた時期を確かめた。8そして、「行って、その子のことを詳しく調べ、見つかったら知らせてくれ。わたしも行って拝もう」と言ってベツレヘムヘ送り出した。9彼らが王の言葉を聞いて出かけると、東方で見た星が先立って進み、ついに幼子のいる場所の上に止まった。10学者たちはその星を見て喜びにあふれた。11家に入ってみると、幼子は母マリアと共におられた。彼らはひれ伏して幼子を拝み、宝の箱を開けて、黄金、乳香、没薬を贈り物として献げた。12ところが、「ヘロデのところへ帰るな」と夢でお告げがあったので、別の道を通って自分たちの国へ帰って行った。

降誕節月曜日〔公現後〕 1月6日(月) 降誕節

第一朗読

①ヨハネ3・22-4・6

わたしたちは神に属する者です。

使徒ヨハネの手紙

愛する皆さん、3・22神に願うことは何でもかなえられます。わたしたちが神の掟を守り、御心に適うことを行っているからです。23その掟とは、神の子イエス・キリストの名を信じ、この方がわたしたちに命じられたように、互いに愛し合うことです。24神の掟を守る人は、神の内にいつもとどまり、神もその人の内にとどまってくださいます。神がわたしたちの内にとどまってくださることは、神が与えてくださった〝霊〟によって分かります。

4・1愛する者たち、どの霊も信じるのではなく、神から出た霊かどうかを確かめなさい。偽預言者が大勢世に出て来ているからです。2イエス・キリストが肉となって来られたということを公に言い表す霊は、すべて神から出たものです。このことによって、あなたがたは神の霊が分かります。3イエスのことを公に言い表さない霊はすべて、神から出ていません。これは、反キリストの霊です。かねてあなたがたは、その霊がやって来ると聞いていましたが、今や既に世に来ています。4子たちよ、あなたがたは神に属しており、偽預言者たちに打ち勝ちました。なぜなら、あなたがたの内におられる方は、世にいる者よりも強いからです。5偽預言者たちは世に属しており、そのため、世のことを話し、世は彼らに耳を傾けます。6わたしたちは神に属する者です。神を知る人は、わたしたちに耳を傾けますが、神に属していない者は、わたしたちに耳を傾けません。これによって、真理の霊と人を惑わす霊とを見分けることができます。

答唱詩編

3145詩編2・8+10、11+12d

神は王を立てたもう、聖なるシオンの山のうえに。

詩編2

2・8わたしに求めよ、
地の果てまでも、与えよう。
10よく学び、悟れ。
地を支配する人々よ。

11恐れをもって神に仕え、
その足もとにひれ伏せ。
12d祝福はその民の上に、
神に従う者はしあわせ。

福音朗読

マタイ4・12-17、23-25

アレルヤ、アレルヤ。イエスは神の国の福音を告げ知らせ、民の病いをいやされた。アレルヤ、アレルヤ。

マタイによる福音

そのとき、4・12イエスは、ヨハネが捕らえられたと聞き、ガリラヤに退かれた。13そして、ナザレを離れ、ゼブルンとナフタリの地方にある湖畔の町カファルナウムに来て住まわれた。14それは、預言者イザヤを通して言われていたことが実現するためであった。15「ゼブルンの地とナフタリの地、
湖沿いの道、ヨルダン川のかなたの地、
異邦人のガリラヤ、16暗闇に住む民は大きな光を見、
死の陰の地に住む者に光が射し込んだ。」
17そのときから、イエスは、「悔い改めよ。天の国は近づいた」と言って、宣べ伝え始められた。

23イエスはガリラヤ中を回って、諸会堂で教え、御国の福音を宣べ伝え、また、民衆のありとあらゆる病気や患いをいやされた。24そこで、イエスの評判がシリア中に広まった。人々がイエスのところへ、いろいろな病気や苦しみに悩む者、悪霊に取りつかれた者、てんかんの者、中風の者など、あらゆる病人を連れて来たので、これらの人々をいやされた。25こうして、ガリラヤ、デカポリス、エルサレム、ユダヤ、ヨルダン川の向こう側から、大勢の群衆が来てイエスに従った。

降誕節火曜日〔公現後〕 1月7日(火) 降誕節

第一朗読

①ヨハネ4・7-10

愛する者たち、互いに愛し合いましょう。

使徒ヨハネの手紙

7愛する者たち、互いに愛し合いましょう。愛は神から出るもので、愛する者は皆、神から生まれ、神を知っているからです。8愛することのない者は神を知りません。神は愛だからです。9神は、独り子を世にお遣わしになりました。その方によって、わたしたちが生きるようになるためです。ここに、神の愛がわたしたちの内に示されました。10わたしたちが神を愛したのではなく、神がわたしたちを愛して、わたしたちの罪を償ういけにえとして、御子をお遣わしになりました。ここに愛があります。

答唱詩編

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すべての王はあなたの前にひざをかがめ、すべての国はあなたに仕える。

詩編72

72・2主は正義に満ちて民を治め、
まことをもって苦しむ人を心にかけてくださる。
4主はさばきによって貧しい人を守り、
しいたげる者から救ってくださる。

7主が治められる世には正義が栄え、
月のある限り平和が続く。
8主は海のかなたまで治め、
その支配は地の果てにまで及ぶ。

福音朗読

マルコ6・34-44

アレルヤ、アレルヤ。貧しい人に福音を、捕らわれ人に解放を告げるため、神はわたしを送られた。アレルヤ、アレルヤ。

マルコによる福音

そのとき、6・34イエスは大勢の群衆を見て、飼い主のいない羊のような有様を深く憐れみ、いろいろと教え始められた。35そのうち、時もだいぶたったので、弟子たちがイエスのそばに来て言った。「ここは人里離れた所で、時間もだいぶたちました。36人々を解散させてください。そうすれば、自分で周りの里や村へ、何か食べる物を買いに行くでしょう。」37これに対してイエスは、「あなたがたが彼らに食べ物を与えなさい」とお答えになった。弟子たちは、「わたしたちが二百デナリオンものパンを買って来て、みんなに食べさせるのですか」と言った。38イエスは言われた。「パンは幾つあるのか。見て来なさい。」弟子たちは確かめて来て、言った。「五つあります。それに魚が二匹です。」39そこで、イエスは弟子たちに、皆を組に分けて、青草の上に座らせるようにお命じになった。40人々は、百人、五十人ずつまとまって腰を下ろした。41イエスは五つのパンと二匹の魚を取り、天を仰いで賛美の祈りを唱え、パンを裂いて、弟子たちに渡しては配らせ、二匹の魚も皆に分配された。42すべての人が食べて満腹した。43そして、パンの屑と魚の残りを集めると、十二の籠にいっぱいになった。44パンを食べた人は男が五千人であった。

降誕節水曜日〔公現後〕 1月8日(水) 降誕節

第一朗読

①ヨハネ4・11-18

神は愛です。愛にとどまる人は、神の内にとどまり、神もその人の内にとどまってくださいます。

使徒ヨハネの手紙

4・11愛する者たち、神がこのようにわたしたちを愛されたのですから、わたしたちも互いに愛し合うべきです。12いまだかつて神を見た者はいません。わたしたちが互いに愛し合うならば、神はわたしたちの内にとどまってくださり、神の愛がわたしたちの内で全うされているのです。

13神はわたしたちに、御自分の霊を分け与えてくださいました。このことから、わたしたちが神の内にとどまり、神もわたしたちの内にとどまってくださることが分かります。14わたしたちはまた、御父が御子を世の救い主として遣わされたことを見、またそのことを証ししています。15イエスが神の子であることを公に言い表す人はだれでも、神がその人の内にとどまってくださり、その人も神の内にとどまります。16わたしたちは、わたしたちに対する神の愛を知り、また信じています。

神は愛です。愛にとどまる人は、神の内にとどまり、神もその人の内にとどまってくださいます。17こうして、愛がわたしたちの内に全うされているので、裁きの日に確信を持つことができます。この世でわたしたちも、イエスのようであるからです。18愛には恐れがない。完全な愛は恐れを締め出します。なぜなら、恐れは罰を伴い、恐れる者には愛が全うされていないからです。

答唱詩編

13634詩編72・10+11、12+13

すべての王はあなたの前にひざをかがめ、すべての国はあなたに仕える。

詩編72

72・10タルシスと島々の王は贈り物を、
シバとセバの王はみつぎを納める。
11主の前にひざをかがめ、
すべての民は主に仕える。

12主は助けを求める名もない人と、
見捨てられた人を救われる。
13貧しくふしあわせな人をあわれみ、
苦しむ人に救いをもたらされる。

福音朗読

マルコ6・45-52

アレルヤ、アレルヤ。キリストは諸国の民に伝えられ、栄光のうちに来られるかた。アレルヤ、アレルヤ。

マルコによる福音

五千人に食べ物をお与えになった後、6・45イエスは弟子たちを強いて舟に乗せ、向こう岸のベトサイダへ先に行かせ、その間に御自分は群衆を解散させられた。46群衆と別れてから、祈るために山へ行かれた。47夕方になると、舟は湖の真ん中に出ていたが、イエスだけは陸地におられた。48ところが、逆風のために弟子たちが漕ぎ悩んでいるのを見て、夜が明けるころ、湖の上を歩いて弟子たちのところに行き、そばを通り過ぎようとされた。49弟子たちは、イエスが湖上を歩いておられるのを見て、幽霊だと思い、大声で叫んだ。50皆はイエスを見ておびえたのである。しかし、イエスはすぐ彼らと話し始めて、「安心しなさい。わたしだ。恐れることはない」と言われた。51イエスが舟に乗り込まれると、風は静まり、弟子たちは心の中で非常に驚いた。52パンの出来事を理解せず、心が鈍くなっていたからである。

降誕節木曜日〔公現後〕 1月9日(木) 降誕節

第一朗読

①ヨハネ4・19-5・4

神を愛する人は、兄弟をも愛すべきです。これが、神から受けた掟です。

使徒ヨハネの手紙

愛する皆さん、4・19わたしたちが愛するのは、神がまずわたしたちを愛してくださったからです。20「神を愛している」と言いながら兄弟を憎む者がいれば、それは偽り者です。目に見える兄弟を愛さない者は、目に見えない神を愛することができません。21神を愛する人は、兄弟をも愛すべきです。これが、神から受けた掟です。

5・1イエスがメシアであると信じる人は皆、神から生まれた者です。そして、生んでくださった方を愛する人は皆、その方から生まれた者をも愛します。2このことから明らかなように、わたしたちが神を愛し、その掟を守るときはいつも、神の子供たちを愛します。3神を愛するとは、神の掟を守ることです。神の掟は難しいものではありません。4神から生まれた人は皆、世に打ち勝つからです。世に打ち勝つ勝利、それはわたしたちの信仰です。

答唱詩編

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神はすべてのものを治め、偉大な力に満ちておられる。

詩編72

72・1神よ、あなたの正義を王に与え、
あなたの正しさを王に授けてください。
2王が正しく民をおさめ、
正義をもって貧しい人を守るように。

17王の名は世々に及び、
子孫はいつまでも栄える。
すべての人は彼によって祝福され、
すべての国は彼をたたえる。

福音朗読

ルカ4・14-22a

アレルヤ、アレルヤ。貧しい人に福音を、捕らわれ人に解放を告げるため、神はわたしを送られた。アレルヤ、アレルヤ。

ルカによる福音

4・14イエスは〝霊〟の力に満ちてガリラヤに帰られた。その評判が周りの地方一帯に広まった。15イエスは諸会堂で教え、皆から尊敬を受けられた。

16イエスはお育ちになったナザレに来て、いつものとおり安息日に会堂に入り、聖書を朗読しようとしてお立ちになった。17預言者イザヤの巻物が渡され、お開きになると、次のように書いてある個所が目に留まった。
18「主の霊がわたしの上におられる。
貧しい人に福音を告げ知らせるために、
主がわたしに油を注がれたからである。
主がわたしを遣わされたのは、
捕らわれている人に解放を、
目の見えない人に視力の回復を告げ、
圧迫されている人を自由にし、
19主の恵みの年を告げるためである。」
20イエスは巻物を巻き、係の者に返して席に座られた。会堂にいるすべての人の目がイエスに注がれていた。21そこでイエスは、「この聖書の言葉は、今日、あなたがたが耳にしたとき、実現した」と話し始められた。22皆はイエスをほめ、その口から出る恵み深い言葉に驚いた。

降誕節金曜日〔公現後〕 1月10日(金) 降誕節

第一朗読

①ヨハネ5・5-13

御子と結ばれている人にはこの命がある

使徒ヨハネの手紙

愛する皆さん、5・5だれが世に打ち勝つか。イエスが神の子であると信じる者ではありませんか。

6この方は、水と血を通って来られた方、イエス・キリストです。水だけではなく、水と血とによって来られたのです。そして、〝霊〟はこのことを証しする方です。〝霊〟は真理だからです。7証しするのは三者で、8〝霊〟と水と血です。この三者は一致しています。9わたしたちが人の証しを受け入れるのであれば、神の証しは更にまさっています。神が御子についてなさった証し、これが神の証しだからです。10神の子を信じる人は、自分の内にこの証しがあり、神を信じない人は、神が御子についてなさった証しを信じていないため、神を偽り者にしてしまっています。11その証しとは、神が永遠の命をわたしたちに与えられたこと、そして、この命が御子の内にあるということです。12御子と結ばれている人にはこの命があり、神の子と結ばれていない人にはこの命がありません。

13神の子の名を信じているあなたがたに、これらのことを書き送るのは、永遠の命を得ていることを悟らせたいからです。

答唱詩編

13515詩編147・12+13、20+12

主をたたえよう。主はいつくしみ深く、そのあわれみは永遠。

詩編147

147・12エルサレムよ、神をほめたたえよ。
シオンよ、神をたたえよ。
13神はおまえの門のかんぬきをかため、
その中に住む人を祝福される。

20神はほかの民にまだ示されず、
そのおきては知られていない。
12エルサレムよ、神をほめよ。
シオンよ、神をたたえよ。

福音朗読

ルカ5・12-16

アレルヤ、アレルヤ。イエスは神の国の福音を告げ知らせ、民の病いをいやされた。アレルヤ、アレルヤ。

ルカによる福音

5・12イエスがある町におられたとき、そこに、全身重い皮膚病にかかった人がいた。この人はイエスを見てひれ伏し、「主よ、御心ならば、わたしを清くすることがおできになります」と願った。13イエスが手を差し伸べてその人に触れ、「よろしい。清くなれ」と言われると、たちまち重い皮膚病は去った。14イエスは厳しくお命じになった。「だれにも話してはいけない。ただ、行って祭司に体を見せ、モーセが定めたとおりに清めの献げ物をし、人々に証明しなさい。」15しかし、イエスのうわさはますます広まったので、大勢の群衆が、教えを聞いたり病気をいやしていただいたりするために、集まって来た。16だが、イエスは人里離れた所に退いて祈っておられた。

降誕節土曜日〔公現後〕 1月11日(土) 降誕節

第一朗読

①ヨハネ5・14-21

この方こそ、真実の神、永遠の命です。

使徒ヨハネの手紙

愛する皆さん、5・14何事でも神の御心に適うことをわたしたちが願うなら、神は聞き入れてくださる。これが神に対するわたしたちの確信です。15わたしたちは、願い事は何でも聞き入れてくださるということが分かるなら、神に願ったことは既にかなえられていることも分かります。

16死に至らない罪を犯している兄弟を見たら、その人のために神に願いなさい。そうすれば、神はその人に命をお与えになります。これは、死に至らない罪を犯している人々の場合です。死に至る罪があります。これについては、神に願うようにとは言いません。17不義はすべて罪です。しかし、死に至らない罪もあります。

18わたしたちは知っています。すべて神から生まれた者は罪を犯しません。神からお生まれになった方が、その人を守ってくださり、悪い者は手を触れることができません。19わたしたちは知っています。わたしたちは神に属する者ですが、この世全体が悪い者の支配下にあるのです。20わたしたちは知っています。神の子が来て、真実な方を知る力を与えてくださいました。わたしたちは真実な方の内に、その御子イエス・キリストの内にいるのです。この方こそ、真実の神、永遠の命です。21子たちよ、偶像を避けなさい。

答唱詩編

10612詩編149・1+2、3+4

シオンよ、喜べ。エルサレムよ、うたえ。見よ、わたしたちの王、主が来られる。

詩編149

149・1新しい歌を神にうたい、
民のつどいで神を賛美しよう。
2イスラエルはその造り主を喜び、
シオンの子らはその王を喜べ。

3舞をささげて神の名をほめ、
鼓と琴に合わせて神をたたえよ。
4神はその民を心に留め、
貧しい人を勝利で飾られる。

福音朗読

ヨハネ3・22-30

アレルヤ、アレルヤ。暗やみに住む民は偉大な光を仰ぎ、死のかげに覆われた人々に光が現れた。アレルヤ、アレルヤ。

ヨハネによる福音

そのとき、3・22イエスは弟子たちとユダヤ地方に行って、そこに一緒に滞在し、洗礼を授けておられた。23他方、ヨハネは、サリムの近くのアイノンで洗礼を授けていた。そこは水が豊かであったからである。人々は来て、洗礼を受けていた。24ヨハネはまだ投獄されていなかったのである。25ところがヨハネの弟子たちと、あるユダヤ人との間で、清めのことで論争が起こった。26彼らはヨハネのもとに来て言った。「ラビ、ヨルダン川の向こう側であなたと一緒にいた人、あなたが証しされたあの人が、洗礼を授けています。みんながあの人の方へ行っています。」27ヨハネは答えて言った。「天から与えられなければ、人は何も受けることができない。28わたしは、『自分はメシアではない』と言い、『自分はあの方の前に遣わされた者だ』と言ったが、そのことについては、あなたたち自身が証ししてくれる。29花嫁を迎えるのは花婿だ。花婿の介添え人はそばに立って耳を傾け、花婿の声が聞こえると大いに喜ぶ。だから、わたしは喜びで満たされている。30あの方は栄え、わたしは衰えねばならない。」

主の洗礼 1月12日(日) 降誕節

第一朗読

イザヤ40・1-5、9-11

主の栄光がこうして現れるのを、肉なる者は共に見る。

イザヤの預言

40・1慰めよ、わたしの民を慰めよと
あなたたちの神は言われる。
2エルサレムの心に語りかけ
彼女に呼びかけよ
苦役の時は今や満ち、彼女の咎は償われた、と。
罪のすべてに倍する報いを主の御手から受けた、と。

3呼びかける声がある。
主のために、荒れ野に道を備え
わたしたちの神のために、荒れ地に広い道を通せ。
4谷はすべて身を起こし、山と丘は身を低くせよ。
険しい道は平らに、狭い道は広い谷となれ。
5主の栄光がこうして現れるのを肉なる者は共に見る。
主の口が〔そう〕宣言される。
9高い山に登れ
良い知らせをシオンに伝える者よ。
力を振るって声をあげよ
良い知らせをエルサレムに伝える者よ。
声をあげよ、恐れるなユダの町々に告げよ。

10見よ、あなたたちの神
見よ、主なる神。
彼は力を帯びて来られ御腕をもって統治される。
見よ、主のかち得られたものは御もとに従い
主の働きの実りは御前を進む。
11主は羊飼いとして群れを養い、御腕をもって集め
小羊をふところに抱き、その母を導いて行かれる。

答唱詩編

6815詩編104・1+2a、24+33

神よ、あなたのいぶきを地のおもてに。

詩編104

104・1心を尽くして神をたたえよう。
神よ、あなたはまことに偉大なかた。
2a誉れと輝きを身に帯びて、
衣のように光をまとわれる。

24神よ、あなたが造られたものは数えきれない。
英知によって形造られたものは地に満ちている。
33わたしは生涯、神に向かって歌い、
いのちのある限り神をたたえよう。

第二朗読

テトス2・11-14、3・4-7

この救いは、聖霊によって新しく生まれさせ、新たに造りかえる洗いを通して実現した。

使徒パウロのテトスヘの手紙

愛する者よ、2・11すべての人々に救いをもたらす神の恵みが現れました。12その恵みは、わたしたちが不信心と現世的な欲望を捨てて、この世で、思慮深く、正しく、信心深く生活するように教え、13また、祝福に満ちた希望、すなわち偉大なる神であり、わたしたちの救い主であるイエス・キリストの栄光の現れを待ち望むように教えています。14キリストがわたしたちのために御自身を献げられたのは、わたしたちをあらゆる不法から贖い出し、良い行いに熱心な民を御自分のものとして清めるためだったのです。

3・4わたしたちの救い主である神の慈しみと、人間に対する愛とが現れたときに、5神は、わたしたちが行った義の業によってではなく、御自分の憐れみによって、わたしたちを救ってくださいました。この救いは、聖霊によって新しく生まれさせ、新たに造りかえる洗いを通して実現したのです。6神は、わたしたちの救い主イエス・キリストを通して、この聖霊をわたしたちに豊かに注いでくださいました。7こうしてわたしたちは、キリストの恵みによって義とされ、希望どおり永遠の命を受け継ぐ者とされたのです。

福音朗読

ルカ3・15-16、21-22

アレルヤ、アレルヤ。わたしより力ある方が来られ、聖霊と火によって洗礼を行われる。アレルヤ、アレルヤ。

ルカによる福音

そのとき、3・15民衆はメシアを待ち望んでいて、ヨハネについて、もしかしたら彼がメシアではないかと、皆心の中で考えていた。16そこで、ヨハネは皆に向かって言った。「わたしはあなたたちに水で洗礼を授けるが、わたしよりも優れた方が来られる。わたしは、その方の履物のひもを解く値打ちもない。その方は、聖霊と火であなたたちに洗礼をお授けになる。」

21民衆が皆洗礼を受け、イエスも洗礼を受けて祈っておられると、天が開け、22聖霊が鳩のように目に見える姿でイエスの上に降って来た。すると、「あなたはわたしの愛する子、わたしの心に適う者」という声が、天から聞こえた。

年間第1月曜日 1月13日(月) 年間

第一朗読

ヘブライ1・1-6

神は、御子によってわたしたちに語られた。

ヘブライ人への手紙

1・1神は、かつて預言者たちによって、多くのかたちで、また多くのしかたで先祖に語られたが、2この終わりの時代には、御子によってわたしたちに語られました。神は、この御子を万物の相続者と定め、また、御子によって世界を創造されました。御子は、3神の栄光の反映であり、神の本質の完全な現れであって、万物を御自分の力ある言葉によって支えておられますが、人々の罪を清められた後、天の高い所におられる大いなる方の右の座にお着きになりました。4御子は、天使たちより優れた者となられました。天使たちの名より優れた名を受け継がれたからです。
5いったい神は、かつて天使のだれに、
「あなたはわたしの子、わたしは今日、あなたを産んだ」
と言われ、6更にまた、
「わたしは彼の父となり、
彼はわたしの子となる」
と言われたでしょうか。更にまた、神はその長子をこの世界に送るとき、
「神の天使たちは皆、彼を礼拝せよ」と言われました。

答唱詩編

詩編97・1+2、6+9

栄光は世界に及び、すべてを越えて神は偉大。

詩編97

97・1神は王。世界よ、喜びおどれ。
島々は叫びをあげよ。
2神は雲と霧を従え、
正義とさばきが王座を支える。

6天は神の正義を告げ、
諸国の民はその栄光を仰ぐ。
9神よ、あなたは世界の上に高く立ち、
すべての神々を越えて偉大なかた。

福音朗読

マルコ1・14-20

アレルヤ、アレルヤ。神の国は近づいた。回心して福音を信じなさい。アレルヤ、アレルヤ。

マルコによる福音

1・14ヨハネが捕らえられた後、イエスはガリラヤへ行き、神の福音を宣べ伝えて、15「時は満ち、神の国は近づいた。悔い改めて福音を信じなさい」と言われた。

16イエスは、ガリラヤ湖のほとりを歩いておられたとき、シモンとシモンの兄弟アンデレが湖で網を打っているのを御覧になった。彼らは漁師だった。17イエスは、「わたしについて来なさい。人間をとる漁師にしよう」と言われた。18二人はすぐに網を捨てて従った。19また、少し進んで、ゼベダイの子ヤコブとその兄弟ヨハネが、舟の中で網の手入れをしているのを御覧になると、20すぐに彼らをお呼びになった。この二人も父ゼベダイを雇い人たちと一緒に舟に残して、イエスの後について行った。

年間第1火曜日 1月14日(火) 年間

第一朗読

ヘブライ2・5-12

イエスが、死の苦しみのゆえに、「栄光と栄誉の冠を授けられた」のを見ています。

ヘブライ人への手紙

5神は、わたしたちが語っている来るべき世界を、天使たちに従わせるようなことはなさらなかったのです。6ある個所で、次のようにはっきり証しされています。
「あなたが心に留められる人間とは、何者なのか。
また、あなたが顧みられる人の子とは、何者なのか。
7あなたは彼を天使たちよりも、
わずかの間、低い者とされたが、
栄光と栄誉の冠を授け、
8すべてのものを、その足の下に従わせられました。」
「すべてのものを彼に従わせられた」と言われている以上、この方に従わないものは何も残っていないはずです。しかし、わたしたちはいまだに、すべてのものがこの方に従っている様子を見ていません。9ただ、「天使たちよりも、わずかの間、低い者とされた」イエスが、死の苦しみのゆえに、「栄光と栄誉の冠を授けられた」のを見ています。神の恵みによって、すべての人のために死んでくださったのです。

10というのは、多くの子らを栄光へと導くために、彼らの救いの創始者を数々の苦しみを通して完全な者とされたのは、万物の目標であり源である方に、ふさわしいことであったからです。11事実、人を聖なる者となさる方も、聖なる者とされる人たちも、すべて一つの源から出ているのです。それで、イエスは彼らを兄弟と呼ぶことを恥としないで、
12「わたしは、あなたの名をわたしの兄弟たちに知らせ、
集会の中であなたを賛美します」
と言われました。

答唱詩編

詩編48・4+5、6+7

神の名はあまねく世界に輝き、その栄光は天にそびえる。

詩編48

48・4あなたの指のわざである天を仰ぎ、
あなたが造られた月と星とを眺めて思う。
5なぜ人に心を留め、
人の子を顧みられるのか。

6あなたは人を神の使いに近い者として造り、
栄えと誉れの冠を授け、
7あなたが造られたものを治めさせ、
すべてをその知恵にゆだねられた。

福音朗読

マルコ1・21-28

アレルヤ、アレルヤ。あなたがたに宣べ伝えられた福音は永遠にとどまる神のことば。アレルヤ、アレルヤ。

マルコによる福音

1・21イエスは、安息日にカファルナウムの会堂に入って教え始められた。22人々はその教えに非常に驚いた。律法学者のようにではなく、権威ある者としてお教えになったからである。23そのとき、この会堂に汚れた霊に取りつかれた男がいて叫んだ。24「ナザレのイエス、かまわないでくれ。我々を滅ぼしに来たのか。正体は分かっている。神の聖者だ。」25イエスが、「黙れ。この人から出て行け」とお叱りになると、26汚れた霊はその人にけいれんを起こさせ、大声をあげて出て行った。27人々は皆驚いて、論じ合った。「これはいったいどういうことなのだ。権威ある新しい教えだ。この人が汚れた霊に命じると、その言うことを聴く。」28イエスの評判は、たちまちガリラヤ地方の隅々にまで広まった。

年間第1水曜日 1月15日(水) 年間

第一朗読

ヘブライ2・14-18

イエスは、試練を受けている人たちを助けることがおできになるのです。

ヘブライ人への手紙

人は2・14血と肉を備えているので、イエスもまた同様に、これらのものを備えられました。それは、死をつかさどる者、つまり悪魔を御自分の死によって滅ぼし、15死の恐怖のために一生涯、奴隷の状態にあった者たちを解放なさるためでした。16確かに、イエスは天使たちを助けず、アブラハムの子孫を助けられるのです。17それで、イエスは、神の御前において憐れみ深い、忠実な大祭司となって、民の罪を償うために、すべての点で兄弟たちと同じようにならねばならなかったのです。18事実、御自身、試練を受けて苦しまれたからこそ、試練を受けている人たちを助けることがおできになるのです。

答唱詩編

詩編105・1+2、3b+4+5

心を尽くして神をたたえ、すべての恵みを心に留めよう。

詩編105

105・1神に感謝してその名をたたえよ。
諸国の民に神のわざを告げ知らせよ。
2賛美の歌を神に歌い、
そのすべての不思議なわざを語れ。

3b神を探し求める者よ、心から喜べ。
4神にその力を求め、いつもその顔を慕い求めよ。
5神が行われた不思議なわざを思い起こせ、
救いのしるしとさばきのことばを。

福音朗読

マルコ1・29-39

アレルヤ、アレルヤ。羊はわたしの声を聞き分け、わたしもその羊を知り、羊はわたしに従う。アレルヤ、アレルヤ。

マルコによる福音

そのとき、イエスは1・29会堂を出て、シモンとアンデレの家に行った。ヤコブとヨハネも一緒であった。30シモンのしゅうとめが熱を出して寝ていたので、人々は早速、彼女のことをイエスに話した。31イエスがそばに行き、手を取って起こされると、熱は去り、彼女は一同をもてなした。32夕方になって日が沈むと、人々は、病人や悪霊に取りつかれた者を皆、イエスのもとに連れて来た。33町中の人が、戸口に集まった。34イエスは、いろいろな病気にかかっている大勢の人たちをいやし、また、多くの悪霊を追い出して、悪霊にものを言うことをお許しにならなかった。悪霊はイエスを知っていたからである。

35朝早くまだ暗いうちに、イエスは起きて、人里離れた所へ出て行き、そこで祈っておられた。36シモンとその仲間はイエスの後を追い、37見つけると、「みんなが捜しています」と言った。38イエスは言われた。「近くのほかの町や村へ行こう。そこでも、わたしは宣教する。そのためにわたしは出て来たのである。」39そして、ガリラヤ中の会堂に行き、宣教し、悪霊を追い出された。

年間第1木曜日 1月16日(木) 年間

第一朗読

ヘブライ3・7-14

わたしたちは、最初の確信を最後までしっかりと持ち続けるなら、キリストに連なる者となるのです。

ヘブライ人への手紙

皆さん、3・7聖霊がこう言われるとおりです。
「今日、あなたたちが神の声を聞くなら、8荒れ野で試練を受けたころ、
神に反抗したときのように、
心をかたくなにしてはならない。
9-10荒れ野であなたたちの先祖は
わたしを試み、験し、
四十年の間わたしの業を見た。
だから、わたしは、その時代の者たちに対して
憤ってこう言った。
『彼らはいつも心が迷っており、
わたしの道を認めなかった。』
11そのため、わたしは怒って誓った。
『彼らを決してわたしの安息に
あずからせはしない』と。」

12兄弟たち、あなたがたのうちに、信仰のない悪い心を抱いて、生ける神から離れてしまう者がないように注意しなさい。13あなたがたのうちだれ一人、罪に惑わされてかたくなにならないように、「今日」という日のうちに、日々励まし合いなさい。――14わたしたちは、最初の確信を最後までしっかりと持ち続けるなら、キリストに連なる者となるのです。

答唱詩編

詩編95・5+6、7+8

神に向かって喜びうたい、感謝の歌をささげよう。

詩編95

95・5海は神のもの、神に造られたもの。
陸も神のもの、神に形造られたもの。
6身を低くして伏し拝もう、
わたしたちを造られた神の前に。

7神は、わたしたちの神。
わたしたちは神の民、そのまきばの羊。
8きょう、神の声を聞くなら、
神に心を閉じてはならない。

福音朗読

マルコ1・40-45

アレルヤ、アレルヤ。イエスは神の国の福音を告げ知らせ、民の病いをいやされた。アレルヤ、アレルヤ。

マルコによる福音

そのとき、1・40重い皮膚病を患っている人が、イエスのところに来てひざまずいて願い、「御心ならば、わたしを清くすることがおできになります」と言った。41イエスが深く憐れんで、手を差し伸べてその人に触れ、「よろしい。清くなれ」と言われると、42たちまち重い皮膚病は去り、その人は清くなった。43イエスはすぐにその人を立ち去らせようとし、厳しく注意して、44言われた。「だれにも、何も話さないように気をつけなさい。ただ、行って祭司に体を見せ、モーセが定めたものを清めのために献げて、人々に証明しなさい。」45しかし、彼はそこを立ち去ると、大いにこの出来事を人々に告げ、言い広め始めた。それで、イエスはもはや公然と町に入ることができず、町の外の人のいない所におられた。それでも、人々は四方からイエスのところに集まって来た。

聖アントニオ 修道院長 1月17日(金) 記念日

第一朗読

ヘブライ4・1-5、11

わたしたちにも彼ら同様に福音が告げ知らされているからです。

ヘブライ人への手紙

皆さん、4・1神の安息にあずかる約束がまだ続いているのに、取り残されてしまったと思われる者があなたがたのうちから出ないように、気をつけましょう。2というのは、わたしたちにも彼ら同様に福音が告げ知らされているからです。けれども、彼らには聞いた言葉は役に立ちませんでした。その言葉が、それを聞いた人々と、信仰によって結び付かなかったためです。3信じたわたしたちは、この安息にあずかることができるのです。
「わたしは怒って誓ったように、
『彼らを決してわたしの安息に
あずからせはしない』」
と言われたとおりです。もっとも、神の業は天地創造の時以来、既に出来上がっていたのです。4なぜなら、ある個所で七日目のことについて、「神は七日目にすべての業を終えて休まれた」と言われているからです。5そして、この個所でも改めて、「彼らを決してわたしの安息にあずからせはしない」と言われています。

11だから、わたしたちはこの安息にあずかるように努力しようではありませんか。さもないと、同じ不従順の例に倣って堕落する者が出るかもしれません。

答唱詩編

詩編78・3+4、6+7

神のわざを思い起こそう、力ある不思議なわざ。

詩編78

78・3耳で聞いて知ったこと、
先祖がわたしたちに伝えたこと、
4神の誉れと力、その行われた不思議なわざを、
わたしは子孫に隠さず、次の世代に語り告げよう。

6のちの世に生まれる子がこれを知り、
また、その子に語り伝えるために。
7彼らが神に信頼し、そのわざを忘れることなく、
その戒めを守るために。

福音朗読

マルコ2・1-12

アレルヤ、アレルヤ。偉大な預言者が私たちのうちに現れ、神は民を訪れてくださった。アレルヤ、アレルヤ。

マルコによる福音

2・1数日後、イエスが再びカファルナウムに来られると、家におられることが知れ渡り、2大勢の人が集まったので、戸口の辺りまですきまもないほどになった。イエスが御言葉を語っておられると、3四人の男が中風の人を運んで来た。4しかし、群衆に阻まれて、イエスのもとに連れて行くことができなかったので、イエスがおられる辺りの屋根をはがして穴をあけ、病人の寝ている床をつり降ろした。5イエスはその人たちの信仰を見て、中風の人に、「子よ、あなたの罪は赦される」と言われた。6ところが、そこに律法学者が数人座っていて、心の中であれこれと考えた。7「この人は、なぜこういうことを口にするのか。神を冒涜している。神おひとりのほかに、いったいだれが、罪を赦すことができるだろうか。」8イエスは、彼らが心の中で考えていることを、御自分の霊の力ですぐに知って言われた。「なぜ、そんな考えを心に抱くのか。9中風の人に『あなたの罪は赦される』と言うのと、『起きて、床を担いで歩け』と言うのと、どちらが易しいか。10人の子が地上で罪を赦す権威を持っていることを知らせよう。」そして、中風の人に言われた。11「わたしはあなたに言う。起き上がり、床を担いで家に帰りなさい。」12その人は起き上がり、すぐに床を担いで、皆の見ている前を出て行った。人々は皆驚き、「このようなことは、今まで見たことがない」と言って、神を賛美した。

年間第1土曜日 1月18日(土) 年間

第一朗読

ヘブライ4・12-16

神の言葉は生きており、力を発揮し、どんな両刃の剣よりも鋭く…

ヘブライ人への手紙

皆さん、4・12神の言葉は生きており、力を発揮し、どんな両刃の剣よりも鋭く、精神と霊、関節と骨髄とを切り離すほどに刺し通して、心の思いや考えを見分けることができます。13更に、神の御前では隠れた被造物は一つもなく、すべてのものが神の目には裸であり、さらけ出されているのです。この神に対して、わたしたちは自分のことを申し述べねばなりません。

14さて、わたしたちには、もろもろの天を通過された偉大な大祭司、神の子イエスが与えられているのですから、わたしたちの公に言い表している信仰をしっかり保とうではありませんか。15この大祭司は、わたしたちの弱さに同情できない方ではなく、罪を犯されなかったが、あらゆる点において、わたしたちと同様に試練に遭われたのです。16だから、憐れみを受け、恵みにあずかって、時宜にかなった助けをいただくために、大胆に恵みの座に近づこうではありませんか。

答唱詩編

詩編19・8、10

神のことばは正しく、わたしの心の喜び、神のみ旨は清く、わたしの目を開く。

詩編19

19・8神の教えは完全で、魂を生き返らせ、
そのさとしは変わらず、心に知恵をもたらす。

10神のことばは正しく、世々に及び、
そのさばきは真実、すべて正しい。

福音朗読

マルコ2・13-17

アレルヤ、アレルヤ。貧しい人に福音を、捕らわれ人に解放を告げるため、神はわたしを送られた。アレルヤ、アレルヤ。

マルコによる福音

そのとき、2・13イエスは、再び湖のほとりに出て行かれた。群衆が皆そばに集まって来たので、イエスは教えられた。14そして通りがかりに、アルファイの子レビが収税所に座っているのを見かけて、「わたしに従いなさい」と言われた。彼は立ち上がってイエスに従った。15イエスがレビの家で食事の席に着いておられたときのことである。多くの徴税人や罪人もイエスや弟子たちと同席していた。実に大勢の人がいて、イエスに従っていたのである。16ファリサイ派の律法学者は、イエスが罪人や徴税人と一緒に食事をされるのを見て、弟子たちに、「どうして彼は徴税人や罪人と一緒に食事をするのか」と言った。17イエスはこれを聞いて言われた。「医者を必要とするのは、丈夫な人ではなく病人である。わたしが来たのは、正しい人を招くためではなく、罪人を招くためである。」

年間第2主日 1月19日(日) 年間

第一朗読

イザヤ62・1-5

花婿が花嫁を喜びとする。

イザヤの預言

62・1シオンのために、わたしは決して口を閉ざさず
エルサレムのために、わたしは決して黙さない。
彼女の正しさが光と輝き出で
彼女の救いが松明のように燃え上がるまで。
2諸国の民はあなたの正しさを見
王はすべて、あなたの栄光を仰ぐ。
主の口が定めた新しい名をもってあなたは呼ばれるであろう。

3あなたは主の御手の中で輝かしい冠となり
あなたの神の御手の中で王冠となる。
4あなたは再び「捨てられた女」と呼ばれることなく
あなたの土地は再び「荒廃」と呼ばれることはない。
あなたは「望まれるもの」と呼ばれ
あなたの土地は「夫を持つもの」と呼ばれる。
主があなたを望まれ
あなたの土地は夫を得るからである。
5若者がおとめをめとるように
あなたを再建される方があなたをめとり
花婿が花嫁を喜びとするように
あなたの神はあなたを喜びとされる。

答唱詩編

詩編96・1+2、3+4、9+13

遠く地の果てまで、すべての者が神の救いを見た。

詩編96

96・1新しい歌を神に歌え、
世界よ、神に向かって喜び歌え。
2神の名をたたえて歌い、
日ごとに救いを告げ知らせよ。

3すべての国にその栄光を語り、
すべての民に不思議なわざを伝えよ。
4神は偉大、ほむべきかた、
すべてを超えておそるべきかた。

9聖なる者が現れるとき、神をおがめ、
世界よ、神をおそれよ。
神は来られる、世界をさばきに来られる。
13正義とまことをもって、すべての民をさばかられる。

第二朗読

①コリント12・4-11

同じ唯一の〝霊〟は望むままに、一人一人に分け与えてくださる。

使徒パウロのコリントの教会への手紙

皆さん、12・4賜物にはいろいろありますが、それをお与えになるのは同じ霊です。5務めにはいろいろありますが、それをお与えになるのは同じ主です。6働きにはいろいろありますが、すべての場合にすべてのことをなさるのは同じ神です。7一人一人に〝霊〟の働きが現れるのは、全体の益となるためです。8ある人には〝霊〟によって知恵の言葉、ある人には同じ〝霊〟によって知識の言葉が与えられ、9ある人にはその同じ〝霊〟によって信仰、ある人にはこの唯一の〝霊〟によって病気をいやす力、10ある人には奇跡を行う力、ある人には預言する力、ある人には霊を見分ける力、ある人には種々の異言を語る力、ある人には異言を解釈する力が与えられています。11これらすべてのことは、同じ唯一の〝霊〟の働きであって、〝霊〟は望むままに、それを一人一人に分け与えてくださるのです。

福音朗読

ヨハネ2・1-11

アレルヤ、アレルヤ。福音によって神は私たちを召し出し、主イエス・キリストの栄光にあずかる者としてくださった。アレルヤ、アレルヤ。

ヨハネによる福音

そのとき、2・1ガリラヤのカナで婚礼があって、イエスの母がそこにいた。2イエスも、その弟子たちも婚礼に招かれた。3ぶどう酒が足りなくなったので、母がイエスに、「ぶどう酒がなくなりました」と言った。4イエスは母に言われた。「婦人よ、わたしとどんなかかわりがあるのです。わたしの時はまだ来ていません。」5しかし、母は召し使いたちに、「この人が何か言いつけたら、そのとおりにしてください」と言った。6そこには、ユダヤ人が清めに用いる石の水がめが六つ置いてあった。いずれも二ないし三メトレテス入りのものである。7イエスが、「水がめに水をいっぱい入れなさい」と言われると、召し使いたちは、かめの縁まで水を満たした。8イエスは、「さあ、それをくんで宴会の世話役のところへ持って行きなさい」と言われた。召し使いたちは運んで行った。9世話役はぶどう酒に変わった水の味見をした。このぶどう酒がどこから来たのか、水をくんだ召し使いたちは知っていたが、世話役は知らなかったので、花婿を呼んで、10言った。「だれでも初めに良いぶどう酒を出し、酔いがまわったころに劣ったものを出すものですが、あなたは良いぶどう酒を今まで取って置かれました。」11イエスは、この最初のしるしをガリラヤのカナで行って、その栄光を現された。それで、弟子たちはイエスを信じた。

年間第2月曜日 1月20日(月) 年間

第一朗読

ヘブライ5・1-10

イエスは、大祭司です。

ヘブライ人への手紙

5・1大祭司はすべて人間の中から選ばれ、罪のための供え物やいけにえを献げるよう、人々のために神に仕える職に任命されています。2大祭司は、自分自身も弱さを身にまとっているので、無知な人、迷っている人を思いやることができるのです。3また、その弱さのゆえに、民のためだけでなく、自分自身のためにも、罪の贖いのために供え物を献げねばなりません。4また、この光栄ある任務を、だれも自分で得るのではなく、アロンもそうであったように、神から召されて受けるのです。

5同じようにキリストも、大祭司となる栄誉を御自分で得たのではなく、
「あなたはわたしの子、
わたしは今日、あなたを産んだ」
と言われた方が、それをお与えになったのです。6また、神は他の個所で、
「あなたこそ永遠に、
メルキゼデクと同じような祭司である」
と言われています。7キリストは、肉において生きておられたとき、激しい叫び声をあげ、涙を流しながら、御自分を死から救う力のある方に、祈りと願いとをささげ、その畏れ敬う態度のゆえに聞き入れられました。8キリストは御子であるにもかかわらず、多くの苦しみによって従順を学ばれました。9そして、完全な者となられたので、御自分に従順であるすべての人々に対して、永遠の救いの源となり、10神からメルキゼデクと同じような大祭司と呼ばれたのです。

答唱詩編

詩編110・1+2、3+4

門よ、とびらを開け、永遠の戸よ、上がれ。栄光の王が入る。

詩編110

110・1神はわたしの主に仰せになる。
「わたしの右にすわれ、はむかう者をおまえの足台とする。」
2神は王しゃくを持つあなたをシオンから起こされた。
はむかう者の中で治めてください。

3生まれた日からあなたには王の威厳が備わっている。
あなたは朝の露のように生まれ、光り輝く。
4「メルキゼデクのように、おまえは、水遠の祭司。」
これはゆるぎない神のことば。

福音朗読

マルコ2・18-22

アレルヤ、アレルヤ。神のことばは生きていて力があり、心の思いと計画をわきまえる。アレルヤ、アレルヤ。

マルコによる福音

そのとき、2・18ヨハネの弟子たちとファリサイ派の人々は、断食していた。そこで、人々はイエスのところに来て言った。「ヨハネの弟子たちとファリサイ派の弟子たちは断食しているのに、なぜ、あなたの弟子たちは断食しないのですか。」19イエスは言われた。「花婿が一緒にいるのに、婚礼の客は断食できるだろうか。花婿が一緒にいるかぎり、断食はできない。20しかし、花婿が奪い取られる時が来る。その日には、彼らは断食することになる。

21だれも、織りたての布から布切れを取って、古い服に継ぎを当てたりはしない。そんなことをすれば、新しい布切れが古い服を引き裂き、破れはいっそうひどくなる。22また、だれも、新しいぶどう酒を古い革袋に入れたりはしない。そんなことをすれば、ぶどう酒は革袋を破り、ぶどう酒も革袋もだめになる。新しいぶどう酒は、新しい革袋に入れるものだ。」

聖アグネス おとめ殉教者 1月21日(火) 記念日

第一朗読

ヘブライ6・10-20

イエスは、わたしたちのために先駆者としてそこへ入って行き、永遠にメルキゼデクと同じような大祭司となられたのです。

ヘブライ人への手紙

皆さん、6・10神は不義な方ではないので、あなたがたの働きや、あなたがたが聖なる者たちに以前も今も仕えることによって、神の名のために示したあの愛をお忘れになるようなことはありません。11わたしたちは、あなたがたおのおのが最後まで希望を持ち続けるために、同じ熱心さを示してもらいたいと思います。12あなたがたが怠け者とならず、信仰と忍耐とによって、約束されたものを受け継ぐ人たちを見倣う者となってほしいのです。

13神は、アブラハムに約束をする際に、御自身より偉大な者にかけて誓えなかったので、御自身にかけて誓い、14「わたしは必ずあなたを祝福し、あなたの子孫を大いに増やす」と言われました。15こうして、アブラハムは根気よく待って、約束のものを得たのです。16そもそも人間は、自分より偉大な者にかけて誓うのであって、その誓いはあらゆる反対論にけりをつける保証となります。17神は約束されたものを受け継ぐ人々に、御自分の計画が変わらないものであることを、いっそうはっきり示したいと考え、それを誓いによって保証なさったのです。18それは、目指す希望を持ち続けようとして世を逃れて来たわたしたちが、二つの不変の事柄によって力強く励まされるためです。この事柄に関して、神が偽ることはありえません。19わたしたちが持っているこの希望は、魂にとって頼りになる、安定した錨のようなものであり、また、至聖所の垂れ幕の内側に入って行くものなのです。20イエスは、わたしたちのために先駆者としてそこへ入って行き、永遠にメルキゼデクと同じような大祭司となられたのです。

答唱詩編

詩編111・1+2、3+4b+5b

神は残された、不思議なわざの記念を。

詩編111

111・1心を尽くして神に感謝しよう、
神をたたえる人の集いの中で。
2神のわざは偉大。
人はそのわざを尋ね求めて喜ぶ。

3神のわざは力と輝きに満ち、
その正義はとこしえに及ぶ。
4b神は恵み豊かであわれみ深く、
5bとこしえに契約を心に留めてくださる。

福音朗読

マルコ2・23-28

アレルヤ、アレルヤ。主イエス・キリストの父がわたしたちの心の目を開き、わたしたちがどんな希望に召されているかを示してくださる。アレルヤ、アレルヤ。

マルコによる福音

2・23ある安息日に、イエスが麦畑を通って行かれると、弟子たちは歩きながら麦の穂を摘み始めた。24ファリサイ派の人々がイエスに、「御覧なさい。なぜ、彼らは安息日にしてはならないことをするのか」と言った。25イエスは言われた。「ダビデが、自分も供の者たちも、食べ物がなくて空腹だったときに何をしたか、一度も読んだことがないのか。26アビアタルが大祭司であったとき、ダビデは神の家に入り、祭司のほかにはだれも食べてはならない供えのパンを食べ、一緒にいた者たちにも与えたではないか。」27そして更に言われた。「安息日は、人のために定められた。人が安息日のためにあるのではない。28だから、人の子は安息日の主でもある。」

年間第2水曜日 1月22日(水) 年間

第一朗読

ヘブライ7・1-3、15-17

「あなたこそ永遠に、メルキゼデクと同じような祭司である」

ヘブライ人への手紙

皆さん、7・1メルキゼデクはサレムの王であり、いと高き神の祭司でしたが、王たちを滅ぼして戻って来たアブラハムを出迎え、そして祝福しました。2アブラハムは、メルキゼデクにすべてのものの十分の一を分け与えました。メルキゼデクという名の意味は、まず「義の王」、次に「サレムの王」、つまり「平和の王」です。3彼には父もなく、母もなく、系図もなく、また、生涯の初めもなく、命の終わりもなく、神の子に似た者であって、永遠に祭司です。

15このことは、メルキゼデクと同じような別の祭司が立てられたことによって、ますます明らかです。16この祭司は、肉の掟の律法によらず、朽ちることのない命の力によって立てられたのです。17なぜなら、
「あなたこそ永遠に、
メルキゼデクと同じような祭司である」
と証しされているからです。

答唱詩編

詩編110・1+2、3+4

門よ、とびらを開け、永遠の戸よ、上がれ。栄光の王が入る。

詩編110

110・1神はわたしの主に仰せになる。
「わたしの右にすわれ、はむかう者をおまえの足台とする。」
2神は王しゃくを持つあなたをシオンから起こされた。
はむかう者の中で治めてください。

3生まれた日からあなたには王の威厳が備わっている。
あなたは朝の露のように生まれ、光り輝く。
4「メルキゼデクのように、おまえは、水遠の祭司。」
これはゆるぎない神のことば。

福音朗読

マルコ3・1-6

アレルヤ、アレルヤ。イエスは神の国の福音を告げ知らせ、民の病いをいやされた。アレルヤ、アレルヤ。

マルコによる福音

そのとき、3・1イエスはまた会堂にお入りになった。そこに片手の萎えた人がいた。2人々はイエスを訴えようと思って、安息日にこの人の病気をいやされるかどうか、注目していた。3イエスは手の萎えた人に、「真ん中に立ちなさい」と言われた。4そして人々にこう言われた。「安息日に律法で許されているのは、善を行うことか、悪を行うことか。命を救うことか、殺すことか。」彼らは黙っていた。5そこで、イエスは怒って人々を見回し、彼らのかたくなな心を悲しみながら、その人に、「手を伸ばしなさい」と言われた。伸ばすと、手は元どおりになった。6ファリサイ派の人々は出て行き、早速、ヘロデ派の人々と一緒に、どのようにしてイエスを殺そうかと相談し始めた。

年間第2木曜日 1月23日(木) 年間

第一朗読

ヘブライ7・25-8・6

律法の後になされた誓いの御言葉は、永遠に完全な者とされておられる御子を大祭司としたのです。

ヘブライ人への手紙

皆さん、7・25イエスは常に生きていて、人々のために執り成しておられるので、御自分を通して神に近づく人たちを、完全に救うことがおできになります。

26このように聖であり、罪なく、汚れなく、罪人から離され、もろもろの天よりも高くされている大祭司こそ、わたしたちにとって必要な方なのです。27この方は、ほかの大祭司たちのように、まず自分の罪のため、次に民の罪のために毎日いけにえを献げる必要はありません。というのは、このいけにえはただ一度、御自身を献げることによって、成し遂げられたからです。28律法は弱さを持った人間を大祭司に任命しますが、律法の後になされた誓いの御言葉は、永遠に完全な者とされておられる御子を大祭司としたのです。

8・1今述べていることの要点は、わたしたちにはこのような大祭司が与えられていて、天におられる大いなる方の玉座の右の座に着き、2人間ではなく主がお建てになった聖所また真の幕屋で、仕えておられるということです。3すべて大祭司は、供え物といけにえとを献げるために、任命されています。それで、この方も、何か献げる物を持っておられなければなりません。4もし、地上におられるのだとすれば、律法に従って供え物を献げる祭司たちが現にいる以上、この方は決して祭司ではありえなかったでしょう。5この祭司たちは、天にあるものの写しであり影であるものに仕えており、そのことは、モーセが幕屋を建てようとしたときに、お告げを受けたとおりです。神は、「見よ、山で示された型どおりに、すべてのものを作れ」と言われたのです。6しかし、今、わたしたちの大祭司は、それよりはるかに優れた務めを得ておられます。更にまさった約束に基づいて制定された、更にまさった契約の仲介者になられたからです。

答唱詩編

詩編40・10、17

神のみ旨を行うことは、わたしの心の喜び。

詩編40

40・10わたしは人々のつどいの中で、
あなたの救いのわざを告げ知らせ、
けっして口を閉じることがない。
神よ、あなたはそれを知っておられる。

17あなたを求めるすべての人は、
あなたのうちにあって喜び楽しみ、
救いの力を尊ぶ人は、
「神は偉大なかた」といつもたたえる。

福音朗読

マルコ3・7-12

アレルヤ、アレルヤ。わたしたちの救い主イエス・キリストは死を滅ぼし、福音によって生涯を照らしてくださった。アレルヤ、アレルヤ。

マルコによる福音

そのとき、3・7イエスは弟子たちと共に湖の方へ立ち去られた。ガリラヤから来たおびただしい群衆が従った。また、ユダヤ、8エルサレム、イドマヤ、ヨルダン川の向こう側、ティルスやシドンの辺りからもおびただしい群衆が、イエスのしておられることを残らず聞いて、そばに集まって来た。9そこで、イエスは弟子たちに小舟を用意してほしいと言われた。群衆に押しつぶされないためである。10イエスが多くの病人をいやされたので、病気に悩む人たちが皆、イエスに触れようとして、そばに押し寄せたからであった。11汚れた霊どもは、イエスを見るとひれ伏して、「あなたは神の子だ」と叫んだ。12イエスは、自分のことを言いふらさないようにと霊どもを厳しく戒められた。

聖フランシスコ・サレジオ 司教教会博士 1月24日(金) 記念日

第一朗読

ヘブライ8・6-13

神は「新しいもの」と言われることによって、最初の契約は古びてしまったと宣言されたのです。

ヘブライ人への手紙

皆さん、8・6、今、わたしたちの大祭司は、それよりはるかに優れた務めを得ておられます。更にまさった約束に基づいて制定された、更にまさった契約の仲介者になられたからです。

7もし、あの最初の契約が欠けたところのないものであったなら、第二の契約の余地はなかったでしょう。8事実、神はイスラエルの人々を非難して次のように言われています。
「『見よ、わたしがイスラエルの家、またユダの家と、
新しい契約を結ぶ時が来る』と、
主は言われる。
9『それは、わたしが彼らの先祖の手を取って、
エジプトの地から導き出した日に、
彼らと結んだ契約のようなものではない。
彼らはわたしの契約に忠実でなかったので、
わたしも彼らを顧みなかった』と、
主は言われる。
10『それらの日の後、わたしが
イスラエルの家と結ぶ契約はこれである』と、
主は言われる。
『すなわち、わたしの律法を彼らの思いに置き、
彼らの心にそれを書きつけよう。
わたしは彼らの神となり、
彼らはわたしの民となる。
11彼らはそれぞれ自分の同胞に、
それぞれ自分の兄弟に、
「主を知れ」と言って教える必要はなくなる。
小さな者から大きな者に至るまで
彼らはすべて、わたしを知るようになり、
12わたしは、彼らの不義を赦し、
もはや彼らの罪を思い出しはしないからである。』」
13神は「新しいもの」と言われることによって、最初の契約は古びてしまったと宣言されたのです。年を経て古びたものは、間もなく消えうせます。

答唱詩編

詩編85・10+11、12+13+14

神よ、わたしに目を注ぎ、強めてください、手をさしのべて。

詩編85

85・10救いは神をおそれる人に近く、
栄光はわたしたちの地に住む。
11いつくしみとまことはめぐり合い、
正義と平和はいだき合う。

12まことは地から芽ばえ、正義は天から見守る。
13神は恵みを注がれ、地は豊かに実る。
14正義は神の前を進み、
平和はその足跡に従う。

福音朗読

マルコ3・13-19

アレルヤ、アレルヤ。神はキリストのうちに世をご自分に和解させ、和解のことばをわたしたちにゆだねられた。アレルヤ、アレルヤ。

マルコによる福音

そのとき、3・13イエスが山に登って、これと思う人々を呼び寄せられると、彼らはそばに集まって来た。14そこで、十二人を任命し、使徒と名付けられた。彼らを自分のそばに置くため、また、派遣して宣教させ、15悪霊を追い出す権能を持たせるためであった。16こうして十二人を任命された。シモンにはペトロという名を付けられた。17ゼベダイの子ヤコブとヤコブの兄弟ヨハネ、この二人にはボアネルゲス、すなわち、「雷の子ら」という名を付けられた。18アンデレ、フィリポ、バルトロマイ、マタイ、トマス、アルファイの子ヤコブ、タダイ、熱心党のシモン、19それに、イスカリオテのユダ。このユダがイエスを裏切ったのである。

聖パウロの回心 1月25日(土) 聖人の記念

第一朗読

使徒言行録22・3-16

立ち上がりなさい。イエスの名を唱え、洗礼を受けて罪を洗い清めなさい。

使徒たちの宣教

その日、パウロは人々に言った。22・3「わたしは、キリキア州のタルソスで生まれたユダヤ人です。そして、この都で育ち、ガマリエルのもとで先祖の律法について厳しい教育を受け、今日の皆さんと同じように、熱心に神に仕えていました。4わたしはこの道を迫害し、男女を問わず縛り上げて獄に投じ、殺すことさえしたのです。5このことについては、大祭司も長老会全体も、わたしのために証言してくれます。実は、この人たちからダマスコにいる同志にあてた手紙までもらい、その地にいる者たちを縛り上げ、エルサレムへ連行して処罰するために出かけて行ったのです。

6旅を続けてダマスコに近づいたときのこと、真昼ごろ、突然、天から強い光がわたしの周りを照らしました。7わたしは地面に倒れ、『サウル、サウル、なぜ、わたしを迫害するのか』と言う声を聞いたのです。8『主よ、あなたはどなたですか』と尋ねると、『わたしは、あなたが迫害しているナザレのイエスである』と答えがありました。9一緒にいた人々は、その光は見たのですが、わたしに話しかけた方の声は聞きませんでした。10『主よ、どうしたらよいでしょうか』と申しますと、主は、『立ち上がってダマスコへ行け。しなければならないことは、すべてそこで知らされる』と言われました。11わたしは、その光の輝きのために目が見えなくなっていましたので、一緒にいた人たちに手を引かれて、ダマスコに入りました。

12ダマスコにはアナニアという人がいました。律法に従って生活する信仰深い人で、そこに住んでいるすべてのユダヤ人の中で評判の良い人でした。13この人がわたしのところに来て、そばに立ってこう言いました。『兄弟サウル、元どおり見えるようになりなさい。』するとそのとき、わたしはその人が見えるようになったのです。14アナニアは言いました。『わたしたちの先祖の神が、あなたをお選びになった。それは、御心を悟らせ、あの正しい方に会わせて、その口からの声を聞かせるためです。15あなたは、見聞きしたことについて、すべての人に対してその方の証人となる者だからです。16今、何をためらっているのです。立ち上がりなさい。その方の名を唱え、洗礼を受けて罪を洗い清めなさい。』」

または

使徒言行録9・1-22

あなたのなすべきことが知らされる。

使徒たちの宣教

その日、9・1サウロはなおも主の弟子たちを脅迫し、殺そうと意気込んで、大祭司のところへ行き、2ダマスコの諸会堂あての手紙を求めた。それは、この道に従う者を見つけ出したら、男女を問わず縛り上げ、エルサレムに連行するためであった。3ところが、サウロが旅をしてダマスコに近づいたとき、突然、天からの光が彼の周りを照らした。4サウロは地に倒れ、「サウル、サウル、なぜ、わたしを迫害するのか」と呼びかける声を聞いた。5「主よ、あなたはどなたですか」と言うと、答えがあった。「わたしは、あなたが迫害しているイエスである。6起きて町に入れ。そうすれば、あなたのなすべきことが知らされる。」7同行していた人たちは、声は聞こえても、だれの姿も見えないので、ものも言えず立っていた。8サウロは地面から起き上がって、目を開けたが、何も見えなかった。人々は彼の手を引いてダマスコに連れて行った。9サウロは三日間、目が見えず、食べも飲みもしなかった。

10ところで、ダマスコにアナニアという弟子がいた。幻の中で主が、「アナニア」と呼びかけると、アナニアは、「主よ、ここにおります」と言った。11すると、主は言われた。「立って、『直線通り』と呼ばれる通りへ行き、ユダの家にいるサウロという名の、タルソス出身の者を訪ねよ。今、彼は祈っている。12アナニアという人が入って来て自分の上に手を置き、元どおり目が見えるようにしてくれるのを、幻で見たのだ。」13しかし、アナニアは答えた。「主よ、わたしは、その人がエルサレムで、あなたの聖なる者たちに対してどんな悪事を働いたか、大勢の人から聞きました。14ここでも、御名を呼び求める人をすべて捕らえるため、祭司長たちから権限を受けています。」15すると、主は言われた。「行け。あの者は、異邦人や王たち、またイスラエルの子らにわたしの名を伝えるために、わたしが選んだ器である。16わたしの名のためにどんなに苦しまなくてはならないかを、わたしは彼に示そう。」17そこで、アナニアは出かけて行ってユダの家に入り、サウロの上に手を置いて言った。「兄弟サウル、あなたがここへ来る途中に現れてくださった主イエスは、あなたが元どおり目が見えるようになり、また、聖霊で満たされるようにと、わたしをお遣わしになったのです。」18すると、たちまち目からうろこのようなものが落ち、サウロは元どおり見えるようになった。そこで、身を起こして洗礼を受け、19食事をして元気を取り戻した。

サウロは数日の間、ダマスコの弟子たちと一緒にいて、20すぐあちこちの会堂で、「この人こそ神の子である」と、イエスのことを宣べ伝えた。21これを聞いた人々は皆、非常に驚いて言った。「あれは、エルサレムでこの名を呼び求める者たちを滅ぼしていた男ではないか。また、ここへやって来たのも、彼らを縛り上げ、祭司長たちのところへ連行するためではなかったか。」22しかし、サウロはますます力を得て、イエスがメシアであることを論証し、ダマスコに住んでいるユダヤ人をうろたえさせた。

答唱詩編

詩編117・1+2、栄唱

主をたたえよう。主はいつくしみ深く、そのあわれみは永遠。

詩編117

117・1すべての国よ、神をたたえ、
すべての民よ、神をほめよ。
2神の愛はちから強く、
そのまことは世々に及ぶ。

栄唱栄光は父と子と聖霊に。
初めのように
今もいつも
世々に。アーメン。

第二朗読

①コリント7・29-31

この世の有様は過ぎ去る。

使徒パウロのコリントの教会への手紙

7・29兄弟たち、わたしはこう言いたい。定められた時は迫っています。今からは、妻のある人はない人のように、30泣く人は泣かない人のように、喜ぶ人は喜ばない人のように、物を買う人は持たない人のように、31世の事にかかわっている人は、かかわりのない人のようにすべきです。この世の有様は過ぎ去るからです。

福音朗読

マルコ16・15-18

アレルヤ、アレルヤ。あなたがわたしを選んだのではない。わたしがあなたを選んだのである。アレルヤ、アレルヤ。

マルコによる福音

そのとき、イエスは十一人の弟子に現れて、言われた。16・15「全世界に行って、すべての造られたものに福音を宣べ伝えなさい。16信じて洗礼を受ける者は救われるが、信じない者は滅びの宣告を受ける。17信じる者には次のようなしるしが伴う。彼らはわたしの名によって悪霊を追い出し、新しい言葉を語る。18手で蛇をつかみ、また、毒を飲んでも決して害を受けず、病人に手を置けば治る。」

年間第3主日 1月26日(日) 年間

第一朗読

ネヘミヤ8・2-4a、5-6、8-10

レビ人は律法の書を意味を明らかにしながら読み上げた。

ネヘミヤ記

その日、8・2祭司エズラは律法を会衆の前に持って来た。そこには、男も女も、聞いて理解することのできる年齢に達した者は皆いた。第七の月の一日のことであった。3彼は水の門の前にある広場に居並ぶ男女、理解することのできる年齢に達した者に向かって、夜明けから正午までそれを読み上げた。民は皆、その律法の書に耳を傾けた。

4書記官エズラは、このために用意された木の壇の上に立った。5エズラは人々より高い所にいたので、皆が見守る中でその書を開いた。彼が書を開くと民は皆、立ち上がった。6エズラが大いなる神、主をたたえると民は皆、両手を挙げて、「アーメン、アーメン」と唱和し、ひざまずき、顔を地に伏せて、主を礼拝した。

次いで、レビ人が8神の律法の書を翻訳し、意味を明らかにしながら読み上げたので、人々はその朗読を理解した。

9総督ネヘミヤと、祭司であり書記官であるエズラは、律法の説明に当たったレビ人と共に、民全員に言った。「今日は、あなたたちの神、主にささげられた聖なる日だ。嘆いたり、泣いたりしてはならない。」民は皆、律法の言葉を聞いて泣いていた。10彼らは更に言った。「行って良い肉を食べ、甘い飲み物を飲みなさい。その備えのない者には、それを分け与えてやりなさい。今日は、我らの主にささげられた聖なる日だ。悲しんではならない。主を喜び祝うことこそ、あなたたちの力の源である。」

答唱詩編

詩編19・8、9、10

主よ、あなたは永遠のいのちのことば。

詩編19

19・8神の教えは完全で、魂を生き返らせ、
そのさとしは変わらず、心に知恵をもたらす。

9神の定めは、正しく、心の喜びであり、
そのみ旨は清く、目を開く。

10神のことばは正しく、代々に及び、
そのさばきは真実ですべて正しい。

第二朗読

①コリント12・12-30

あなたがたはキリストの体であり、また一人一人はその部分である。

使徒パウロのコリントの教会への手紙

皆さん、12・12体は一つでも、多くの部分から成り、体のすべての部分の数は多くても、体は一つであるように、キリストの場合も同様である。13つまり、一つの霊によって、わたしたちは、ユダヤ人であろうとギリシア人であろうと、奴隷であろうと自由な身分の者であろうと、皆一つの体となるために洗礼を受け、皆一つの霊をのませてもらったのです。14体は、一つの部分ではなく、多くの部分から成っています。

15足が、「わたしは手ではないから、体の一部ではない」と言ったところで、体の一部でなくなるでしょうか。16耳が、「わたしは目ではないから、体の一部ではない」と言ったところで、体の一部でなくなるでしょうか。17もし体全体が目だったら、どこで聞きますか。もし全体が耳だったら、どこでにおいをかぎますか。18そこで神は、御自分の望みのままに、体に一つ一つの部分を置かれたのです。19すべてが一つの部分になってしまったら、どこに体というものがあるでしょう。20だから、多くの部分があっても、一つの体なのです。21目が手に向かって「お前は要らない」とは言えず、また、頭が足に向かって「お前たちは要らない」とも言えません。22それどころか、体の中でほかよりも弱く見える部分が、かえって必要なのです。23わたしたちは、体の中でほかよりも恰好が悪いと思われる部分を覆って、もっと恰好よくしようとし、見苦しい部分をもっと見栄えよくしようとします。24見栄えのよい部分には、そうする必要はありません。神は、見劣りのする部分をいっそう引き立たせて、体を組み立てられました。25それで、体に分裂が起こらず、各部分が互いに配慮し合っています。26一つの部分が苦しめば、すべての部分が共に苦しみ、一つの部分が尊ばれれば、すべての部分が共に喜ぶのです。

27あなたがたはキリストの体であり、また、一人一人はその部分です。

28神は、教会の中にいろいろな人をお立てになりました。第一に使徒、第二に預言者、第三に教師、次に奇跡を行う者、その次に病気をいやす賜物を持つ者、援助する者、管理する者、異言を語る者などです。29皆が使徒であろうか。皆が預言者であろうか。皆が教師であろうか。皆が奇跡を行う者であろうか。30皆が病気をいやす賜物を持っているだろうか。皆が異言を語るだろうか。皆がそれを解釈するだろうか。

福音朗読

ルカ1・1-4、4・14-21

アレルヤ、アレルヤ。貧しい人に福音を、捕らわれ人に開放を告げるため、神はわたしを送られた。アレルヤ、アレルヤ。

ルカによる福音

1・1‐2わたしたちの間で実現した事柄について、最初から目撃して御言葉のために働いた人々がわたしたちに伝えたとおりに、物語を書き連ねようと、多くの人々が既に手を着けています。3そこで、敬愛するテオフィロさま、わたしもすべての事を初めから詳しく調べていますので、順序正しく書いてあなたに献呈するのがよいと思いました。4お受けになった教えが確実なものであることを、よく分かっていただきたいのであります。

さて、4・14イエスは〝霊〟の力に満ちてガリラヤに帰られた。その評判が周りの地方一帯に広まった。15イエスは諸会堂で教え、皆から尊敬を受けられた。

16イエスはお育ちになったナザレに来て、いつものとおり安息日に会堂に入り、聖書を朗読しようとしてお立ちになった。17預言者イザヤの巻物が渡され、お開きになると、次のように書いてある個所が目に留まった。
18「主の霊がわたしの上におられる。
貧しい人に福音を告げ知らせるために、
主がわたしに油を注がれたからである。
主がわたしを遣わされたのは、
捕らわれている人に解放を、
目の見えない人に視力の回復を告げ、
圧迫されている人を自由にし、
19主の恵みの年を告げるためである。」

20イエスは巻物を巻き、係の者に返して席に座られた。会堂にいるすべての人の目がイエスに注がれていた。21そこでイエスは、「この聖書の言葉は、今日、あなたがたが耳にしたとき、実現した」と話し始められた。

年間第3月曜日 1月27日(月) 年間

第一朗読

ヘブライ9・15、24-28

キリストは新しい契約の仲介者なのです。

ヘブライ人への手紙

皆さん、9・15キリストは新しい契約の仲介者なのです。それは、最初の契約の下で犯された罪の贖いとして、キリストが死んでくださったので、召された者たちが、既に約束されている永遠の財産を受け継ぐためにほかなりません。24なぜならキリストは、まことのものの写しにすぎない、人間の手で造られた聖所にではなく、天そのものに入り、今やわたしたちのために神の御前に現れてくださったからです。25また、キリストがそうなさったのは、大祭司が年ごとに自分のものでない血を携えて聖所に入るように、度々御自身をお献げになるためではありません。26もしそうだとすれば、天地創造の時から度々苦しまねばならなかったはずです。ところが実際は、世の終わりにただ一度、御自身をいけにえとして献げて罪を取り去るために、現れてくださいました。27また、人間にはただ一度死ぬことと、その後に裁きを受けることが定まっているように、28キリストも、多くの人の罪を負うためにただ一度身を献げられた後、二度目には、罪を負うためではなく、御自分を待望している人たちに、救いをもたらすために現れてくださるのです。

答唱詩編

詩編98・1、4+5

遠く地の果てまで、すべての者が神の救いを見た。

詩編98

98・1新しい歌を神にうたえ。
神は不思議なわざを行われた。
神の偉大な右の手、
そのとうとい腕は救いの力。

4世界よ、神に向かって喜びの声をあげ、
賛美の歌で神をほめよ。
5たて琴をかなでて神をたたえ、
その調べに合わせてほめ歌え。

福音朗読

マルコ3・22-30

アレルヤ、アレルヤ。わたしたちの救い主イエス・キリストは死を滅ぼし、福音によって生涯を照らしてくださった。アレルヤ、アレルヤ。

マルコによる福音

そのとき、3・22エルサレムから下って来た律法学者たちも、「あの男はベルゼブルに取りつかれている」と言い、また、「悪霊の頭の力で悪霊を追い出している」と言っていた。23そこで、イエスは彼らを呼び寄せて、たとえを用いて語られた。「どうして、サタンがサタンを追い出せよう。24国が内輪で争えば、その国は成り立たない。25家が内輪で争えば、その家は成り立たない。26同じように、サタンが内輪もめして争えば、立ち行かず、滅びてしまう。27また、まず強い人を縛り上げなければ、だれも、その人の家に押し入って、家財道具を奪い取ることはできない。まず縛ってから、その家を略奪するものだ。28はっきり言っておく。人の子らが犯す罪やどんな冒涜の言葉も、すべて赦される。29しかし、聖霊を冒涜する者は永遠に赦されず、永遠に罪の責めを負う。」30イエスがこう言われたのは、「彼は汚れた霊に取りつかれている」と人々が言っていたからである。

聖トマス・アクィナス 司祭教会博士 1月28日(火) 記念日

第一朗読

ヘブライ10・1-10

「御覧ください。わたしは来ました。御心を行うために」

ヘブライ人への手紙

皆さん、10・1律法には、やがて来る良いことの影があるばかりで、そのものの実体はありません。従って、律法は年ごとに絶えず献げられる同じいけにえによって、神に近づく人たちを完全な者にすることはできません。2もしできたとするなら、礼拝する者たちは一度清められた者として、もはや罪の自覚がなくなるはずですから、いけにえを献げることは中止されたはずではありませんか。3ところが実際は、これらのいけにえによって年ごとに罪の記憶がよみがえって来るのです。4雄牛や雄山羊の血は、罪を取り除くことができないからです。

5それで、キリストは世に来られたときに、次のように言われたのです。
「あなたは、いけにえや献げ物を望まず、
むしろ、わたしのために体を備えてくださいました。
6あなたは、焼き尽くす献げ物や罪を贖うためのいけにえを好まれませんでした。
7そこで、わたしは言いました。
『御覧ください。わたしは来ました。
聖書の巻物にわたしについて書いてあるとおり、
神よ、御心を行うために。』」
8ここで、まず、「あなたはいけにえ、献げ物、焼き尽くす献げ物、罪を贖うためのいけにえ、つまり律法に従って献げられるものを望みもせず、好まれもしなかった」と言われ、9次いで、「御覧ください。わたしは来ました。御心を行うために」と言われています。第二のものを立てるために、最初のものを廃止されるのです。10この御心に基づいて、ただ一度イエス・キリストの体が献げられたことにより、わたしたちは聖なる者とされたのです。

答唱詩編

詩編40・2+4ab、11ab+12

神のみ旨を行うことは、わたしの心の喜び。

詩編40

40・2わたしはせつに神を呼び求め、
神は、耳を傾けてわたしの叫びを聞き入れられた。
4ab神はわたしの口に新しい歌を、
神への賛美の歌を授けられた。

11abわたしはあなたの恵みを心の中に隠さず、
救いの力と真実をのべ伝える。
12神よ、豊かなあわれみをわたしの上に。
いつくしみとまことでいつも守ってください。

福音朗読

マルコ3・31-35

アレルヤ、アレルヤ。天と地の主である父はたたえられますように。あなたは神の国のことを小さい人々に現してくださった。アレルヤ、アレルヤ。

マルコによる福音

そのとき、3・31イエスの母と兄弟たちが来て外に立ち、人をやってイエスを呼ばせた。32大勢の人が、イエスの周りに座っていた。「御覧なさい。母上と兄弟姉妹がたが外であなたを捜しておられます」と知らされると、33イエスは、「わたしの母、わたしの兄弟とはだれか」と答え、34周りに座っている人々を見回して言われた。「見なさい。ここにわたしの母、わたしの兄弟がいる。35神の御心を行う人こそ、わたしの兄弟、姉妹、また母なのだ。」

年間第3水曜日 1月29日(水) 年間

第一朗読

ヘブライ10・11-18

それらの日の後、わたしが彼らと結ぶ契約はこれである

ヘブライ人への手紙

10・11すべての祭司は、毎日礼拝を献げるために立ち、決して罪を除くことのできない同じいけにえを、繰り返して献げます。12しかしキリストは、罪のために唯一のいけにえを献げて、永遠に神の右の座に着き、13その後は、敵どもが御自分の足台となってしまうまで、待ち続けておられるのです。14なぜなら、キリストは唯一の献げ物によって、聖なる者とされた人たちを永遠に完全な者となさったからです。

15聖霊もまた、わたしたちに次のように証ししておられます。16「『それらの日の後、わたしが彼らと結ぶ契約はこれである』と、主は言われる。『わたしの律法を彼らの心に置き、彼らの思いにそれを書きつけよう。17もはや彼らの罪と不法を思い出しはしない。』」18罪と不法の赦しがある以上、罪を贖うための供え物は、もはや必要ではありません。

答唱詩編

詩編110・1+2、3+4

門よ、とびらを開け、永遠の戸よ、上がれ。栄光の王が入る。

詩編110

110・1神はわたしの主に仰せになる。
「わたしの右にすわれ、はむかう者をおまえの足台とする。」
2神は王しゃくを持つあなたをシオンから起こされた。
はむかう者の中で治めてください。

3生まれた日からあなたには王の威厳が備わっている。
あなたは朝の露のように生まれ、光り輝く。
4「メルキゼデクのように、おまえは、水遠の祭司。」
これはゆるぎない神のことば。

福音朗読

マルコ4・1-20

アレルヤ、アレルヤ。種は神のことば、蒔く人はキリスト。キリストを見いだす人は永遠に生きる。アレルヤ、アレルヤ。

マルコによる福音

そのとき、4・1イエスは、再び湖のほとりで教え始められた。おびただしい群衆が、そばに集まって来た。そこで、イエスは舟に乗って腰を下ろし、湖の上におられたが、群衆は皆、湖畔にいた。2イエスはたとえでいろいろと教えられ、その中で次のように言われた。3「よく聞きなさい。種を蒔く人が種蒔きに出て行った。4蒔いている間に、ある種は道端に落ち、鳥が来て食べてしまった。5ほかの種は、石だらけで土の少ない所に落ち、そこは土が浅いのですぐ芽を出した。6しかし、日が昇ると焼けて、根がないために枯れてしまった。7ほかの種は茨の中に落ちた。すると茨が伸びて覆いふさいだので、実を結ばなかった。8また、ほかの種は良い土地に落ち、芽生え、育って実を結び、あるものは三十倍、あるものは六十倍、あるものは百倍にもなった。」9そして、「聞く耳のある者は聞きなさい」と言われた。

10イエスがひとりになられたとき、十二人と、イエスの周りにいた人たちとが、たとえについて尋ねた。11そこで、イエスは言われた。「あなたがたには神の国の秘密が打ち明けられているが、外の人々には、すべてがたとえで示される。12それは、『彼らが見るには見るが、認めず、聞くには聞くが、理解できず、こうして、立ち帰って赦されることがない』ようになるためである。」13また、イエスは言われた。「このたとえが分からないのか。では、どうしてほかのたとえが理解できるだろうか。14種を蒔く人は、神の言葉を蒔くのである。15道端のものとは、こういう人たちである。そこに御言葉が蒔かれ、それを聞いても、すぐにサタンが来て、彼らに蒔かれた御言葉を奪い去る。16石だらけの所に蒔かれるものとは、こういう人たちである。御言葉を聞くとすぐ喜んで受け入れるが、17自分には根がないので、しばらくは続いても、後で御言葉のために艱難や迫害が起こると、すぐにつまずいてしまう。18また、ほかの人たちは茨の中に蒔かれるものである。この人たちは御言葉を聞くが、19この世の思い煩いや富の誘惑、その他いろいろな欲望が心に入り込み、御言葉を覆いふさいで実らない。20良い土地に蒔かれたものとは、御言葉を聞いて受け入れる人たちであり、ある者は三十倍、ある者は六十倍、ある者は百倍の実を結ぶのである。」

年間第3木曜日 1月30日(木) 年間

第一朗読

ヘブライ10・19-25

約束してくださったのは真実な方なのですから、公に言い表した希望を揺るがぬようしっかり保ちましょう。

ヘブライ人への手紙

10・19兄弟たち、わたしたちは、イエスの血によって聖所に入れると確信しています。20イエスは、垂れ幕、つまり、御自分の肉を通って、新しい生きた道をわたしたちのために開いてくださったのです。21更に、わたしたちには神の家を支配する偉大な祭司がおられるのですから、22心は清められて、良心のとがめはなくなり、体は清い水で洗われています。信頼しきって、真心から神に近づこうではありませんか。23約束してくださったのは真実な方なのですから、公に言い表した希望を揺るがぬようしっかり保ちましょう。24互いに愛と善行に励むように心がけ、25ある人たちの習慣に倣って集会を怠ったりせず、むしろ励まし合いましょう。かの日が近づいているのをあなたがたは知っているのですから、ますます励まし合おうではありませんか。

答唱詩編

詩編24・1+2、3+4

門よ、とびらを開け、永遠の戸よ、上がれ。栄光の王が入る。

詩編24

24・1地とそこにあるもの、
世界とそこに住むものは神のもの。
2神は海に地の基をすえ、
水の上に固められた。

3だれが神の山に登れよう。
だれが聖所に立てよう。
4それは手に汚れなく、心の清い人、
空しいことに心を向けず、偽りを口にしない人。

福音朗読

マルコ4・21-25

アレルヤ、アレルヤ。あなたは命のことばを保ち、ともしびのように世界を照らしなさい。アレルヤ、アレルヤ。

マルコによる福音

そのとき、イエスは人々に言われた。4・21「ともし火を持って来るのは、升の下や寝台の下に置くためだろうか。燭台の上に置くためではないか。22隠れているもので、あらわにならないものはなく、秘められたもので、公にならないものはない。23聞く耳のある者は聞きなさい。」

24また、彼らに言われた。「何を聞いているかに注意しなさい。あなたがたは自分の量る秤で量り与えられ、更にたくさん与えられる。25持っている人は更に与えられ、持っていない人は持っているものまでも取り上げられる。」

聖ヨハネ・ボスコ 司祭 1月31日(金) 記念日

第一朗読

ヘブライ10・32-39

神の御心を行って約束されたものを受けるためには、忍耐が必要なのです。

ヘブライ人への手紙

皆さん、10・32あなたがたは、光に照らされた後、苦しい大きな戦いによく耐えた初めのころのことを、思い出してください。33あざけられ、苦しめられて、見せ物にされたこともあり、このような目に遭った人たちの仲間となったこともありました。34実際、捕らえられた人たちと苦しみを共にしたし、また、自分がもっとすばらしい、いつまでも残るものを持っていると知っているので、財産を奪われても、喜んで耐え忍んだのです。35だから、自分の確信を捨ててはいけません。この確信には大きな報いがあります。36神の御心を行って約束されたものを受けるためには、忍耐が必要なのです。37「もう少しすると、来るべき方がおいでになる。
遅れられることはない。
38わたしの正しい者は信仰によって生きる。
もしひるむようなことがあれば、
その者はわたしの心に適わない。」
39しかし、わたしたちは、ひるんで滅びる者ではなく、信仰によって命を確保する者です。

答唱詩編

詩編37・3、4

喜びに心をはずませ、救いの泉から水をくむ。

詩編37

37・3神により頼み、よいわざに励み、
約束の地を住まいとし、真実をかてとせよ。

4神のうちにあって喜べ、
神はその人の心の願いをかなえられる。

福音朗読

マルコ4・26-34

アレルヤ、アレルヤ。天と地の主である父はたたえられますように。あなたは神の国のことを小さい人々に現してくださった。アレルヤ、アレルヤ。

マルコによる福音

そのとき、イエスは人々に言われた。4・26「神の国は次のようなものである。人が土に種を蒔いて、27夜昼、寝起きしているうちに、種は芽を出して成長するが、どうしてそうなるのか、その人は知らない。28土はひとりでに実を結ばせるのであり、まず茎、次に穂、そしてその穂には豊かな実ができる。29実が熟すと、早速、鎌を入れる。収穫の時が来たからである。」

30更に、イエスは言われた。「神の国を何にたとえようか。どのようなたとえで示そうか。31それは、からし種のようなものである。土に蒔くときには、地上のどんな種よりも小さいが、32蒔くと、成長してどんな野菜よりも大きくなり、葉の陰に空の鳥が巣を作れるほど大きな枝を張る。」

33イエスは、人々の聞く力に応じて、このように多くのたとえで御言葉を語られた。34たとえを用いずに語ることはなかったが、御自分の弟子たちにはひそかにすべてを説明された。